アキレス腱のストレッチ。実は2種類の方法があるんです!

アキレス腱ストレッチ記事のアイキャッチ

2023年1月7日初版
2023年10月14日改訂2版

運動前のストレッチの定番といえば、アキレス腱のストレッチ。

伸ばされるのはアキレス腱ではなく下腿三頭筋(かたいさんとうきん)というふくらはぎの筋肉です。

その下腿三頭筋は、

  1. 腓腹筋(ひふくきん)
  2. ヒラメ筋

の二つの筋肉から構成されています。

ふくらはぎのストレッチと言っても、この二つの筋肉を伸ばす方法にはわずかな違いがあるのです。

目次

2種類のストレッチ

ストレッチ方法のわずかな違いとは次の一点のみ!

ストレッチの時、ひざを伸ばしているか?曲げているか?

  • ひざを伸ばしていると 腓腹筋のストレッチ、
  • ひざを曲げていると  ヒラメ筋のストレッチ、

になります。

腓腹筋のストレッチ

腓腹筋ストレッチの方法
図.1 腓腹筋のストレッチ
STEP

体がふらつかないように壁に手をついておく。

STEP

ストレッチする方の足を後ろに引き、反対の足は体の少し前に出します。
両足とも足の裏は床にピッタリつける。

STEP

前に出した足のひざを曲げて腰をゆっくり落としていく。

STEP

ストレッチする方の足はひざを真っ直ぐに固定、足首だけを動かします。

ふくらはぎの真後ろ、皮膚近くの浅い場所で引っ張られる感覚が得られます。

ヒラメ筋のストレッチ

ヒラメ筋ストレッチの方法
図.2 ヒラメ筋のストレッチ
STEP

壁に手をついておく。

STEP

ストレッチする足を体の後ろに引き、反対の足は体の少し前に出す。
足の裏を両足とも床にピッタリとつける。

STEP

前に出した足の膝を曲げて腰をゆっくり落としていく。

STEP

ストレッチする方の膝も軽く曲げておく
軽く曲げた角度はなるべく固定する
腰を落とすのに足首の動きだけでついていく。

ふくらはぎのやや深いところで引っ張られる感覚が得られます。

ふくらはぎのストレッチ方法に2種類ある理由

ふくらはぎの筋肉を構成する腓腹筋とヒラメ筋は、かかと側の下端ではアキレス腱一本にまとまって、かかとの骨に引っ付いています。

腓腹筋とヒラメ筋の位置
図.3 腓腹筋とヒラメ筋の端の位置の違い

一方、ひざ側にある筋肉上端が、

  • 腓腹筋上端は太ももの骨に付き、
  • ヒラメ筋上端はすねの骨に付く。
けいちゅー

筋肉上端の位置の違いが理由です。

腓腹筋

ひざ関節を伸ばして腓腹筋のストレッチ
図.4 腓腹筋が伸ばされる時の模式図

腓腹筋には途中に足関節とひざ関節の二つの関節があります。

ひざ関節をまっすぐ伸ばして足首の関節を前に倒していくと、腓腹筋(ヒラメ筋も同時に)がストレッチされます。

ヒラメ筋

ひざ関節を曲げてヒラメ筋のストレッチ
図.5 ヒラメ筋が伸ばされる時の模式図

ヒラメ筋は途中で足関節を越えるだけなので、ひざ関節を曲げていても、足首の関節を前に倒せばストレッチされます。

他方、腓腹筋はひざが曲がっているためにゆるみができ、伸ばされません。

ヒラメ筋だけがストレッチされることになります。

膝関節を越えるか、越えないかの違い

下腿三頭筋は腓腹筋とヒラメ筋の両方が共同でつま先を下に動かします。ただし、

  • ひざが伸びている場合は腓腹筋がメインでつま先を下げ、
  • ひざが曲がっている場合はヒラメ筋がメインでつま先を下げる。

ひざの状態で腓腹筋とヒラメ筋の使い分けがされているのです。

アキレス腱ストレッチで見逃しやすいポイント

ストレッチ中につま先で踏ん張らないこと!

つま先を踏ん張ると、ふくらはぎに力が入ってしまいます。

ストレッチの妨げになり効果が下がるので、気をつけてください。

まとめ

アキレス腱断裂の防止やこむら返りの予防に役立つアキレス腱のストレッチに関する話題でした。自分の脚の健康維持の一つの手段として実践してもらえればと思います。

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