体のエネルギー代謝。摂取したエネルギーの消費の仕方とその内訳。

「体のエネルギー代謝」アイキャッチ

人が食事で体内に吸収したエネルギーはどのように消費されるのでしょうか?

大きく分けると基礎代謝、身体活動、食事誘発性熱産生の3種類の方法で消費されます。

これらのうち、生命維持のために費やす基礎代謝が3種合計の総エネルギー量の半分以上を占めています。日常生活のための家事や労働、習慣にしている運動での消費量は意外に少なく、基礎代謝量の半分程度に過ぎません。

目次

エネルギー消費の仕方は3種類

食事から摂取したエネルギーの消費方法は大別すると次の3つに分けられます。

  1. 基礎代謝
  2. 身体活動
  3. 食事誘発性熱産生

の3種類。

基礎代謝とは

覚醒していてかつ精神的・肉体的安静状態の時、生命維持のために消費されるエネルギーです。体温を維持したり胃腸での消化吸収活動、自律神経活動、覚醒状態での脳の活動などに伴って消費されています。

性別、年齢によってはもちろん、体格や環境温度によっても変化します。

覚醒かつ安静状態

身体活動とは

体を動かすことで消費されるエネルギーです。日常生活のために身体を動かす非運動性身体活動と趣味や習慣として行う運動の二つに分けることもできます1)

前者の非運動性身体活動には畑仕事や現場仕事、家事などが区分されるので、趣味や習慣で運動をしていなくても、人によって身体活動に費やすエネルギーが多くなる場合もあります。

これも性別、年齢、体格などの要因で消費量は増減します。

身体活動のイメージ

食事誘発性熱産生とは

食事中から食後にかけて消費されるエネルギーです。

摂った食事を消化吸収する際、その時の栄養の一部が熱に変わって消費されてしまいます。

食事中や食後しばらくの間、体が温まる感覚を味わったり、時に汗をかいたりするのはこの熱産生のためです。

食事誘発性熱産生もその人の筋肉量によって増減します2)

食事誘発性熱産生のイメージ

エネルギー消費の内訳

エネルギー消費総量の中でこれら3種類のエネルギー消費がどれくらいの比率になっているのか。図示すると図.1の棒グラフになります1)

エネルギー代謝の内訳
図.1

基礎代謝が全体の半分以上、約60%を消費します。身体活動によって消費されるエネルギー量は基礎代謝よりもずっと少ない量です。

消費量が最も大きい基礎代謝

生命維持のためのエネルギー消費ですが、どこで消費しているのでしょう?

その内訳、エネルギー消費分布を示すと、図.2の棒グラフになります3)

基礎代謝の消費部位別割合
図.2

エネルギーを多く消費する臓器は限られています。体の筋肉(骨格筋)が、休みなく働く脳や心臓などと同じ位のエネルギーを消費しているとは意外ですね。

骨格筋がエネルギーを消費するのは体温産生などのためで、身体活動のための消費とは別です。

摂取したエネルギーを余らせない方法

図.2と図.1を一つのグラフにすると次のグラフになります(図.3)。

骨格筋の13%から脂肪組織・その他までを足し算すると基礎代謝の60%になります。

エネルギー消費の詳細内訳
図.3

三食の食事で摂取したエネルギーを無駄なく消費するには、「消費を増やそう」という意思で増やせるものに注目です。脳や肝臓、その他の臓器のエネルギー消費量は自分の意思ではどうにもなりません。

身体活動の量を増やす!

運動習慣のランニング
習慣で行うランニング

ランニングや水泳、トレーニングジムを習慣にして身体活動量を増やす人は多いですね。有酸素運動で心肺機能を強化したり、全身運動で体の凝りをほぐすこともできます。

難点を強いて言えば、休んだ日はエネルギーが消費されないことです。

骨格筋を増やす!

骨格筋を増やす室内トレーニング
体幹の強化

骨格筋による消費は身体活動での消費に比べれば小さいものです。しかし、

基礎代謝によるエネルギー消費は身体活動のように休みの日がありません。骨格筋が消費するエネルギーも然りです。

骨格筋を増やすことができれば、増やした量に応じてエネルギーが毎日勝手に消費されるようになります。

まとめ

食事で摂ったエネルギーが体の中でどのように消費されるのか、方法と内訳をみてきました。

身体活動と骨格筋の量を今より増やすことでエネルギー代謝量が増え、食事を減らさなくても体型維持さらにはダイエットにもつながっていきます。中年太りにも歯止めをかけられるでしょう。

運動を習慣化すること、骨格筋を増やすことは何かしら良い結果をもたらしてくれます。少しずつ生活の中に取り入れましょう。

参考資料

1)厚生労働省e-ヘルスネット「身体活動とエネルギー代謝」

2)厚生労働省e-ヘルスネット「食事誘発性熱産生/DIT」

3)厚生労働省e-ヘルスネット「加齢とエネルギー代謝」

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