腰痛軽減と姿勢改善に役立つ腸腰筋のストレッチ。自宅で簡単にできる2つの方法。

腸腰筋ストレッチのアイキャッチ

腰痛の原因は

  1. 重量物の運搬や繰り返しの屈伸など過負荷によるもの、
  2. 長時間の座位姿勢によるもの、

この二つに大別できるでしょう。

腸腰筋ストレッチは主として2番目の原因による腰痛と不良姿勢を改善すると考えます。

目次

実は腰の姿勢に重要な腸腰筋

概要

腰椎と骨盤上端から始まって大腿骨小転子で終わる筋肉です(図.1)。細かくは、腰椎から始まる大腰筋、骨盤上端から始まる腸骨筋とに分けられます。

特徴的なのは腸腰筋が骨盤の外(お尻側)ではなく、骨盤の前(内臓側)を通って大腿骨に付着している点です。

腸骨筋の位置
図.1 前から見た腸腰筋

働き

腰が動かない状態で腸骨筋が働くと太ももが前に持ち上がります。

太ももを持ち上げる筋肉としては大腿四頭筋がよく知られているところです。この腸骨筋も同じような働きをしますが、膝を股関節の高さよりさらに上に持ち上げる時には大腿四頭筋に代わって腸骨筋が主として働きます。

逆に太ももが動かない状態で腸腰筋が働くと、骨盤が前に倒れます。

腸腰筋の柔軟性が落ちたり筋力が落ちて、腰に痛みを起こしたりするのはこちらの場合です。

ストレッチ方法

斜め前方から見た腸腰筋の位置
図.2 右の腸腰筋を左前から見る

腸腰筋は途中で骨盤の前側を通るので、

太ももを後方(背中側)に反らせることで腸腰筋のストレッチになります。

自宅でできるストレッチ方法を二つ紹介します。

その1(前後に脚を開き腰を落とす)

立った姿勢から腰を落として腸腰筋のストレッチ
図.3 腸腰筋ストレッチその1

図.3の絵は右腸腰筋をストレッチしています。

STEP
左右ストレッチする側の脚を後ろに

できるだけ右膝を伸ばし、右足も体から遠くに置きます。

STEP
上半身のバランスを崩さない

上半身がふらつかないように両手は床につき、左足と3点でバランスをとります。

STEP
腰を落としていく

腸腰筋が固いほど腰が落ちにくかったり、上半身が前に傾きがちになります。

膝が曲がらないことと上半身をできるだけ起こすことに気をつけながら、ゆっくり腰(左右股関節)を下ろしていきます。

STEP
左右均等に

右が終われば左も同様にストレッチします。

その2(床に寝て腰を反る)

床に寝て腸腰筋ストレッチする方法
図.4 腸腰筋ストレッチその2

図.4の例も右の腸腰筋をストレッチしています。

STEP
右足首を右手でつかむ

できるだけ体から離れた、後方でつかみます。

STEP
股関節を反らす

主として右手の力で足首を頭の方へ引き上げます。

注意点1

足首を体に近づけない。膝をできるだけ曲げない。

→膝が曲がると大腿直筋のストレッチになってしまう

腸腰筋ストレッチのNGポイント
図.5 腸腰筋ストレッチの第2の注意点
注意点2

注意点2:膝や足首は床と並行に動かし、股が開かないようにする。

→腸腰筋を引っ張る力が分散してしまう

腸腰筋が綺麗な姿勢や腰痛防止に重要な理由

腸腰筋の本来の長さはまっすぐ立った時の長さです。

座った姿勢で股関節が曲がっていると腸腰筋の両端は接近して筋肉は短くなります。腸腰筋が短くなる座位姿勢を長時間かつ繰り返し続けていると短くなった状態が通常になり、そのまま柔軟性を失います。

腸腰筋短縮による骨盤の前傾
図.6 腸腰筋が短縮すると骨盤が前に傾く

姿勢の悪化

短縮した腸腰筋に柔軟性がなくなってから後は、立ち上がって体を伸ばしても元の長さまではなかなか伸びてくれません。

腸腰筋が伸びない分は骨盤が前に倒れることで補償されます。

いわゆる出っ尻の、あまり綺麗ではない姿勢になってしまいます。

腰痛の発生

出っ尻を隠そうと次に起きる動作が、腰の筋力で上半身を後ろに引き起こす動作です。

お尻が後ろに出たまま上半身を後ろに引き起こすと、次はいわゆる反り腰の姿勢になります。

反り腰の姿勢を維持するには腰の筋肉が通常以上の筋力を発揮し続けなければなりません。が、その負担の連続で筋肉の疲労が限界に達したとき腰痛が発生してしまいます。

地味な筋肉

調べないとなかなか聞かない筋肉ですが、腰部の姿勢と股関節の動きにとって腸腰筋は重要な筋肉です。

コツコツ続けていると腰の悩みが減ってくるはずです。

ストレッチで腰部スッキリ
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