街の整骨院や整体院、またはリラクゼーションサロンでも最近見かけることが多くなった「肩甲骨はがし」。
肩甲骨とはどこにある骨でどんな役割をしているのか。また肩甲骨をはがすとはどういう意味なのか、解説していきます。
「肩甲骨」はどこの骨?
名前の中に「肩」とあるように肩を構成する骨の一つです。
図.1の中でピンクに彩った、背中側にある骨です。体の表面から簡単に触ることができます。
肩甲骨は上腕骨と連結して肩関節を形成しています。肩甲骨と上腕骨はどちらも肋骨や背骨と、骨同士の連結はなく、関節を作っていません。肩甲骨や肩関節は筋肉の力だけで体幹と繋がっています。
肩関節や腕を体幹と繋ぐ役目の肩甲骨は、肩の動きになくてはならない骨です。例えば次のような動作をする時、主に肩甲骨が動きます。
- 胸をはる
- 腕を前に出して背中を丸める
- 肩をすくめる
- 腕を真上に挙げる
肩の色々な動作を可能にし、また簡単には脱臼しないように、肩甲骨には様々な筋肉が取り巻くように付いています。
肩甲骨をはがすとはどういう意味?
先に書いた通り、肩甲骨は体幹の肋骨や背骨と骨どうしの連結(関節)は一つもありません。
肩甲骨が肋骨・背骨に筋肉の力で「張り付いて」いるような構造です。そんな肩甲骨を肋骨や背骨から引き離そうとする動作や行為を、例えて「肩甲骨をはがす」と言っています。
肩甲骨をはがすことで肩甲骨と肋骨・背骨をつなぐ筋肉が引き伸ばされるので、
「肩甲骨はがし」は、すなわち肩甲骨を取り巻く筋肉のストレッチです。
ひじはできるだけ前に出して、手を背中の後ろに回すと肩甲骨が浮いてくるよ。
肩甲骨はがしの効果は?
肩甲骨を取り巻く筋肉の柔軟性、伸縮性が落ちると肩や腕の動きが制限され、同時に姿勢も悪くなります。
肩甲骨の動きをチェックしてみよう
肩甲骨周辺の筋肉が柔軟性と伸縮性に富んでいるかチェックしてみましょう(図.3)。
ひとつ目は図.3左。
手のひらを背中に持っていき肩甲骨の高さまで上げられるかどうか?
筋肉が凝り固まっていると肩甲骨が肋骨から浮かなくて、手が肩甲骨の位置まで上がりません。
ふたつ目は図.3右。
ひじを伸ばし、ひじを耳に付けるように真っ直ぐ上にバンザイできるかどうか?
肩甲骨が回転してくれないとひじを真上まで挙げることができません。
肩甲骨はがしで得られる効果
肩甲骨はがしで肩甲骨を取り巻く筋肉をストレッチするので、それらの筋肉の柔軟性、伸縮性が改善します。
途中で止まっていたバンザイがもう少し真っ直ぐ上がるようになり、猫背気味だった姿勢がいくらかでも起き上がるようになります。
肩周辺の動作や姿勢が改善されるので肩こり首こりの辛さも軽くなります。
まとめに
肩甲骨周辺だけに限らず全身の筋肉は凝り固まると、柔軟で伸縮性のある元の状態に近づけるためにはストレッチを繰り返し続ける必要があります。
デスクワークや家事で手元作業が多い日常を送っているとどうしても背中は丸まり、腕も上がりにくくなってしまいます。
一度の肩甲骨はがしで一気に姿勢改善や肩こり解消は難しいですが、作業が終わる1日の後半に肩甲骨はがしこまめに取り入れてみましょう。丸まった姿勢が伸びて、気分的にリフレッシュ効果とリラックス効果が得られるはずです。