胸鎖乳突筋とは?首の疲れの原因を解説
胸鎖乳突筋の位置と役割
胸鎖乳突筋(きょうさにゅうとつきん)は首の前面から側面に付いて、左右一本ずつある筋肉です。
頭の左右回転動作のときに働き、またスポーツなどで体が動いてる時は頭が垂直を保つために働く重要な筋肉です。
肩こりの原因は胸鎖乳突筋にあり
首こり、肩こりの原因になる筋肉は体の後ろ側にあるもの(例:僧帽筋)だけではありません。
胸鎖乳突筋をはじめとする首の前面や側面にある筋肉も、頭の位置を固定するために緊張状態が続いて首こりの原因になるのです!
姿勢と胸鎖乳突筋の関係
仕事の内外でパソコンやスマホを長時間操作する人は多いです。
画面を覗き込んでいる間、胸鎖乳突筋は本来の長さよりも短く、かつ緊張した状態になっています。
長時間にわたって緊張状態が続いている筋肉は血流が滞り、次第に筋力や柔軟性も失われます。俯(うつむ)く姿勢で本来より短くなっている胸鎖乳突筋は、短いまま凝り固まってしまいます。
胸鎖乳突筋の短縮
俯き姿勢やあごが出た姿勢を続けていると、胸鎖乳突筋の疲労だけでなく背中側の種々の筋肉にも疲労が蓄積します。
頭と首を支える筋肉が疲労回復できないでいると、顔を上げても頚椎の並びは正常に戻りにくくなる。
ストレートネックが形成される。
胸鎖乳突筋のストレッチ方法
お手伝いさんも道具も必要ありません。椅子や床に座ってスタートです。
ストレッチの手順
正面を向いた位置から首を真横に倒します(図.4a,4b)。
首を真横に倒した状態に加えて、あごを上げるように頭を後ろに倒します(図. 5a,5b)。
効果を高めるポイント2点
- 体(上半身)を固定する。
- 首がカーブを描いている様子を想像する。
- 体(上半身)を固定する。
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頭の重さで上半身も同じ方向に倒れがち。体はまっすぐ垂直のまま動かないように気をつけます。
- 首がカーブを描いている様子を頭の中で想像する。
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7つの頚椎が少しずつ傾いて、首全体が曲線を描いている様子を頭の中でイメージします。首中央部分が糸で引っ張り上げられているようなイメージです。
図.6 頭を倒した時の頸椎の動き
胸鎖乳突筋のマッサージ方法
上記のようにストレッチした状態の時に、親指または人差し指一本で胸鎖乳突筋を数カ所、いろんな方向に押してみることをおすすめします。
凝り固まっているところに当たると若干の痛みも感じますが、元の姿勢に戻った時に首の動作が軽くなっています。
ストレッチ、マッサージで注意するポイント
しびれ、痛みが出たらストップ
首前面は伸ばされますが、逆に頚椎後面は圧迫されます。その姿勢をとると腕や手にしびれや痛みが出る場合もあるので、その時はこの方法でのストレッチは控えてください。
マッサージの力加減と時間
胸鎖乳突筋は力強い刺激や長時間の刺激で悪心やめまいなどを引き起こす場合があります。
揉んだりつまんだりの刺激は、普段から少量で済ませましょう。
ストレッチの頻度と時間の目安
筋肉は15〜20秒間引っ張るとストレッチされます。ストレッチの姿勢を20秒キープしたら元の位置に戻りましょう。
ストレッチ頻度は、同一姿勢が1時間以上も続くようであれば、1時間毎に胸鎖乳突筋も含め、首と肩まわりのストレッチをおすすめします。
スマホやパソコン作業による影響
姿勢が与える胸鎖乳突筋への負担
猫背だったり俯き姿勢をとり続けていると、頭の姿勢はあごを突き出した形にもなります。
- 首の前傾
- あごの突出
姿勢が胸鎖乳突筋には負担になる姿勢なのです。
胸鎖乳突筋だけでなく、発声や開口に関わる喉・あご下の筋肉も短縮したまま凝り固まってしまいます。
使い方と対策
今やスマホやパソコンは使わずにいられない道具です。集中的に使わずに、顔を上げて飲食や会話のある休憩をこまめに挟んで首、喉、肩をリラックスさせてください。
首にも疲れが溜まりませんように!