柔道整復師の業務
柔道整復師は
- 骨折、脱臼の応急処置
- 捻挫、打撲、挫傷の処置
を仕事にしています。
関節を捻った、体のどこかをぶつけた、などの急なアクシデントによる怪我を処置し、元の運動機能まで回復させるのが柔道整復師です。
「骨折や脱臼なんて滅多に起きないよ」と思うでしょうが、捻挫や打撲は日常生活においても「うっかり」でよく起きることだと思います。
どこで働いてる?
街で見かける整骨院や接骨院が柔道整復師の主な職場です。
また高齢者福祉施設や、まれに整形外科のリハビリ室でも働いています。
医療、福祉の現場以外にもスポーツ選手の体のメンテナンススタッフとして、プロの野球チームやサッカーチームで働く柔道整復師もいます。
何をしてる?
骨折、脱臼の発生頻度は確かに少なく、私も自身の整骨院で、骨折の疑いがあると判断した時は整形外科を紹介しました。一方で捻挫や挫傷、打撲は勤務していた整骨院でも自身の整骨院でも、多く診てきました。
捻挫や挫傷、打撲、また筋肉や関節の使いすぎから起きる痛みや運動制限を取り除き、その後もとの運動機能にまで回復するように施術しています。
骨折や脱臼に関しても治療は医師が行いますが、運動機能の回復・訓練は柔道整復師も行います。
患部の
- 冷却または加温
- 包帯・テープで圧迫固定または運動制限
- 周辺筋肉の固縮防止
- 中・低周波治療器などの治療機器
どんな勉強が必要?
養成学校で習う科目
資格を得るためには養成学校に通う必要があります。
養成学校では
- 医療の基本である解剖学、生理学
- 骨折、脱臼の処置方法や包帯の巻き方、患部の固定方法
- 整形外科疾患とその治療方法
- 内科・外科疾患
- リハビリテーション医学
- 公衆衛生
- 関連法規
- 柔道実技
などを、一般的に3年かけて身につけます。医師、歯科医師による講義が多いです。
資格試験
年に一度の国家試験を受験し合格することで国家資格の「柔道整復師」免許を取得します。養成学校を卒業しないと国家試験の受験資格を得られないので独学で国家試験を受験することはできません。
「整体師」とは違います
柔道整復師として働いた中で繰り返し「整体師」との違いを質問されました。
柔道整復師は先に述べた知識や技術を習得することで安全な処置・施術を行い、時に医師による治療が必要なのかも鑑別して利用者さんにアドバイスします。
一方の整体師は教育制度も資格制度も法律で定められたものはなく、民間組織・団体が独自に作成したルールに基づく職業です。
公的に定められた教育過程はなく、施術技術も知識も水準はバラバラです。
業務を行う上でも法律がないので行政などによる規制・監督もありません。
- 規定の養成カリキュラムを修め、
- 知識と技術を試す国家試験に合格し、
- 業務を規制・監督する法律に則って施術する仕事
- 法的な保証や制約なしに施術する仕事
一人の柔道整復師として思うこと
「整骨院」、「接骨院」に馴染みがあっても「柔道整復師」という免許・資格の認知度は高いと言えない状態だと思っています。
「整体師」とは違う仕事だとはっきりと認知され、医者(特に整形外科医)とも整体師とも違う信用を得たいと思い、またその方法を探しているところです。